「ねじれ」考察 #2
ねじれ考察記事2回目。
まだまだ書きたいことたくさんあるけど途中で力尽きた、公開後も書き足していくかも。
今回使用する概念
「対称修飾子」
今回は、対称的な反転に関する4つの修飾子「リバース、インバース、ミラード、アンティポダル(Tache氏,Tchus氏が考案した修飾子、参考文献はRPD氏の"Pen spinning history & notation" p.45)」を用いて、技を羅列していく。
(Drowsy氏の"新説シメトリカル概論"で脳異動として説明されているものと似ている。)
修飾子の効果
リバース(reverse) …時間を反転させる
インバース(inverse) …掌側と背側を反転させる (=2面脳異動)
ミラード(mirrored) …Up側とDown側を反転させる (=1面脳異動)
アンティポダル(antipodal) …遠位と近位を反転させる (=3面脳異動)
修飾子の反転
リバース(rev) ⇄ ノーマル(nor)
インバース(inv) ⇄ クラシック(cla)
ミラード(mir) ⇄ スタンダード(sta)
アンティポダル(ant) ⇄ アナラガス(ana)
技の洗い出し
もし、ある1つの技についてこれら4種の対称的な反転をした結果が互いに重複しない場合、16種類の反転技が存在することになる。しかし、重複する場合も多いため、今回の記事では16種類を書き出してから重複しないものだけをもう一度取り出すことで、技を解析していく。
なおメカニカル表記法において、4つの修飾子が表記に与える効果は以下の通り。
リバース(rev): 順序反転,roll方向反転,回転方向反転
インバース(inv): e/w反転,s/n反転,roll方向反転,掌側/背側狭余指反転
ミラード(mir): e/w反転,軸移動反転,roll方向反転
アンティポダル(ant): s/n反転
「ロール、ピッチ、ヨー」
モナチョ氏の記事"ロール、ピッチ、ヨー"が分かりやすいです。
今回のねじれで用いるのはロール。
本題
ねじれ
ペンが(空間に固定された視点から見て)一定方向に回転しているとき、手首のロールが行われると、手に対する相対的な回転方向が逆転する。このとき行われる技について、私は"ねじれ"と呼んでいる。過去の記事などでは"捻り(ひねり)"と呼んでいたが、ソニック捻りと紛らわしいため、名称を変更した。
ねじれはチャージ系、フリード系、パス系、ソニック系の4種類に大きく分類され、そのうちパス系とソニック系はジャパニーズモーション(通称:ジャパモ)の軌道となる。(多分)
ねじれを語る上で外すことができないロールだが、ここでは、基本的に手首の180°回転とする。この記事における表記は以下の通り。
P2:手をPlus(正)方向にロールさせ、2位(手起こし状態)にする
M0:手をMinus(負)方向にロールさせ、0位(手伏せ状態)にする
もし並行世界を考えたいなら、P2をP0やP4、M0をP-2やP2に変えることで表記が可能になる。
なお、この表記方法については、暫定的に決めた部分も多々あるため、変更される可能性が非常に高い。
チャージ系ねじれ
チャージ系ねじれの特性
・回転数は0.5回転(ハーフチャージ0.5回転に対応)、その間に手首のロールが行われる。
・通常のチャージ同様、フィンガースイッチは行わない。
・通常のチャージは円錐形の軌道を描くが、手首のロールにより平面系の軌道を描く。
チャージ系ねじれを4種の対称反転を用いて書き出す
[ 23/se;P2:wn/23 ] nor/cla/sta/ana
[ 23/nw;M0:es/23 ] rev/cla/sta/ana
[ 23/nw;M0:es/23 ] nor/inv/sta/ana
[ 23/se;P2:wn/23 ] rev/inv/sta/ana
[ 23/sw;M0:en/23 ] nor/cla/mir/ana
[ 23/ne;P2:ws/23 ] rev/cla/mir/ana
[ 23/ne;P2:ws/23 ] nor/inv/mir/ana
[ 23/sw;M0:en/23 ] rev/inv/mir/ana
[ 23/ne;P2:ws/23 ] nor/cla/sta/ant
[ 23/sw;M0:en/23 ] rev/cla/sta/ant
[ 23/sw;M0:en/23 ] nor/inv/sta/ant
[ 23/ne;P2:ws/23 ] rev/inv/sta/ant
[ 23/nw;M0:es/23 ] nor/cla/mir/ant
[ 23/se;P2:wn/23 ] rev/cla/mir/ant
[ 23/se;P2:wn/23 ] nor/inv/mir/ant
[ 23/nw;M0:es/23 ] rev/inv/mir/ant
(薄文字は重複のためカウントしない)
結果、4種のチャージ系ねじれが存在することがわかる。
[ 23/se;P2:wn/23 ] nor/cla/sta/ana (伏→起、S→N、時計)
[ 23/ne;P2:ws/23 ] rev/cla/mir/ana (伏→起、N→S、反時)
[ 23/sw;M0:en/23 ] nor/cla/mir/ana (起→伏、S→N、時計)
[ 23/nw;M0:es/23 ] rev/cla/sta/ana (起→伏、N→S、反時)
物理的な指の干渉により、途中のフィンガースイッチは[ 23E;P2:23W ]と[ 23W;M0:23E ]しか存在し得ず、[ 23E;M0:23W ]と[ 23W;P2:23E ]は不可能なため、意外と数が少ない。
パス系ねじれ(パス系ジャパモ)
パス系ねじれの特性
・回転数は0.5回転、その間に手首のロールが行われる。
・通常のパス同様、フィンガースイッチを行う。
・通常のパスは平面形の軌道を描くが、手首のロールにより円錐系の軌道を描く。
・通常のパス同様、初指動と終指動それぞれにOpen/Closeの要素がある。
パス系ねじれ(パス系ジャパモ)を4種の対称反転を用いて書き出す
[ 23/se;P2:es/34 ] nor/cla/sta/ana
[ 34/se;M0:es/23 ] rev/cla/sta/ana
[ 23/nw;M0:wn/34 ] nor/inv/sta/ana
[ 34/nw;P2:wn/23 ] rev/inv/sta/ana
[ 34/sw;M0:ws/23 ] nor/cla/mir/ana
[ 23/sw;P2:ws/34 ] rev/cla/mir/ana
[ 34/ne;P2:en/23 ] nor/inv/mir/ana
[ 23/ne;M0:en/34 ] rev/inv/mir/ana
[ 23/ne;P2:en/34 ] nor/cla/sta/ant
[ 34/ne;M0:en/23 ] rev/cla/sta/ant
[ 23/sw;M0:ws/34 ] nor/inv/sta/ant
[ 34/sw;P2:ws/23 ] rev/inv/sta/ant
[ 34/nw;M0:wn/23 ] nor/cla/mir/ant
[ 23/nw;P2:wn/34 ] rev/cla/mir/ant
[ 34/se;P2:es/23 ] nor/inv/mir/ant
[ 23/se;M0:es/34 ] rev/inv/mir/ant
(重複なし)
結果、16種のパス系ねじれが存在することがわかる。
[ 23/se;P2:es/34 ] (伏→起、S→S、時計、下がり)
[ 23/sw;P2:ws/34 ] (伏→起、S→S、反時、下がり)
[ 23/ne;P2:en/34 ] (伏→起、N→N、反時、下がり)
[ 23/nw;P2:wn/34 ] (伏→起、N→N、時計、下がり)
[ 23/se;M0:es/34 ] (起→伏、S→S、反時、下がり)
[ 23/sw;M0:ws/34 ] (起→伏、S→S、時計、下がり)
[ 23/ne;M0:en/34 ] (起→伏、N→N、時計、下がり)
[ 23/nw;M0:wn/34 ] (起→伏、N→N、反時、下がり)
[ 34/se;P2:es/23 ] (伏→起、S→S、時計、上がり)
[ 34/sw;P2:ws/23 ] (伏→起、S→S、反時、上がり)
[ 34/ne;P2:en/23 ] (伏→起、N→N、反時、上がり)
[ 34/nw;P2:wn/23 ] (伏→起、N→N、時計、上がり)
[ 34/se;M0:es/23 ] (起→伏、S→S、反時、上がり)
[ 34/sw;M0:ws/23 ] (起→伏、S→S、時計、上がり)
[ 34/ne;M0:en/23 ] (起→伏、N→N、時計、上がり)
[ 34/nw;M0:wn/23 ] (起→伏、N→N、反時、上がり)
なお先述の通り、指動(O/C)の区別によりそれぞれ4種類の軌道がある。
フリード系ねじれ(バクアラやガンマン系のねじれ)
フリード系ねじれの特性
・回転数は0.5回転、その間に手首のロールが行われる。
(通常のフリード系は1回転)
・通常のフリード系同様、フィンガースイッチを行う(最終的に元に戻ることも)。
・通常のフリード系は平面形の軌道を描くが、手首のロールにより円錐系の軌道を描く。
・通常のフリード系同様、初指動と終指動それぞれにOpen/Closeの要素がある。
フリード系ねじれを4種の対称反転を用いて書き出す
[ 23|se|;M0:02|wn|23 ] nor/cla/sta/ana
[ 23|nw|;P2:02|es|23 ] rev/cla/sta/ana
[ 23|nw|;P2:02|es|23 ] nor/inv/sta/ana
[ 23|se|;M0:02|wn|23 ] rev/inv/sta/ana
[ 23|sw|;P2:30|en|23 ] nor/cla/mir/ana
[ 23|ne|;M0:30|ws|23 ] rev/cla/mir/ana
[ 23|ne|;M0:30|ws|23 ] nor/inv/mir/ana
[ 23|sw|;P2:30|en|23 ] rev/inv/mir/ana
[ 23|ne|;M0:02|ws|23 ] nor/cla/sta/ant
[ 23|sw|;P2:02|en|23 ] rev/cla/sta/ant
[ 23|sw|;P2:02|en|23 ] nor/inv/sta/ant
[ 23|ne|;M0:02|ws|23 ] rev/inv/sta/ant
[ 23|nw|;P2:30|es|23 ] nor/cla/mir/ant
[ 23|se|;M0:30|wn|23 ] rev/cla/mir/ant
[ 23|se|;M0:30|wn|23 ] nor/inv/mir/ant
[ 23|nw|;P2:30|es|23 ] rev/inv/mir/ant
(薄文字は重複のためカウントしない)
結果、8種のフリード系ねじれが存在することがわかる。
[ 23|se|;M0:02|wn|23 ] nor/cla/sta/ana (起→伏、反時、U側)
[ 23|se|;M0:30|wn|23 ] rev/cla/mir/ant (起→伏、反時、D側)
[ 23|sw|;P2:02|en|23 ] rev/cla/sta/ant (伏→起、反時、U側)
[ 23|sw|;P2:30|en|23 ] nor/cla/mir/ana (伏→起、反時、D側)
[ 23|ne|;M0:02|ws|23 ] nor/cla/sta/ant (起→伏、時計、U側)
[ 23|ne|;M0:30|ws|23 ] rev/cla/mir/ana (起→伏、時計、D側)
[ 23|nw|;P2:02|es|23 ] rev/cla/sta/ana (伏→起、時計、U側)
[ 23|nw|;P2:30|es|23 ] nor/cla/mir/ant (伏→起、時計、D側)
先述の通り、指動(O/C)の区別により表記部回転それぞれ4種類の軌道がある。
なお説明を簡略化するため、フリード系という風に説明をしたが、実際には空指を用いなくても良い。その場合中間においても指動の区別が生じる。
ソニック系ねじれ(ソニック系ジャパモ)
ソニック系ねじれの特性
・回転数は0.5回転、その間に手首のロールが行われる。
・通常のソニック系(チャージを除く)同様、フィンガースイッチを行う。
・通常のソニック系は円錐形の軌道を描くが、手首のロールにより平面系の軌道を描く。
ソニック系ねじれ(ソニック系ジャパモ)に関しては、4種の対称反転を用いて全て書き出すことはできない。
[ 23|se|;P2:24(3-)|wn|34 ]
[ 23|se|;P2:24(-3)|wn|34 ]
[ 23|sw|;M0:24(3-)|en|34 ]
[ 23|sw|;M0:24(-3)|en|34 ]
[ 23|nw|;M0:24(3-)|es|34 ]
[ 23|nw|;M0:24(-3)|es|34 ]
[ 23|ne|;P2:24(3-)|ws|34 ]
[ 23|ne|;P2:24(-3)|ws|34 ]
[ 34|se|;P2:24(3-)|wn|23 ]
[ 34|se|;P2:24(-3)|wn|23 ]
[ 34|sw|;M0:24(3-)|en|23 ]
[ 34|sw|;M0:24(-3)|en|23 ]
[ 34|nw|;M0:24(3-)|es|23 ]
[ 34|nw|;M0:24(-3)|es|23 ]
[ 34|ne|;P2:24(3-)|ws|23 ]
[ 34|ne|;P2:24(-3)|ws|23 ]
fel2のジャパモメモ欄
[ 23/w+/24(3-)/se;P0:es/34 ]
[ 23|nw|;M2:24(3-)|es|34e/w-/24(-3) ]