210409_Blog(小技、ときどき大技 - 1)
0. まえがき
こんにちは、AiMoです。
今回は「小技」とはなんなのかを考えていきたいと思います。今回はボリューム少なめです。
1. 小技について
「小技」と聞いてみなさんが考えるイメージはどんなものですか。
だいたい「大技の逆」みたいな感覚でしょうか。普段使うなら、そのような認識で全く問題はないのですが、ふとした時に、「どこから小技なんだろう?」「私のスタイルは小技と大技どちらに偏っているんだろう?」と疑問に思うことはないでしょうか。今回はそういうお話です。
ペン回しの構成やスタイルについて考える時にはよく使う概念ですので、私なりのアプローチで少し考えを深めていこうと思います。
2. 相対的な考え方
相対的…というと少し難しい感じがしますが、『この技とこの技を比べた時に、どちらが大技、小技なのか』というような考え方です。
例えば、シャフィーボとハイツアを比べてみてください。
これはイメージがつきやすいでしょう。ほとんどのスピナーがハイツアの方が大技と答えると思います。では、もちろんシャフィーボは小技になりますね。
もう一つ例を考えてみます。パスとシャフィーボを比べてみてください。
この場合だとシャフィーボの方が大技、パスは小技、という想像ができると思います。
この判別は単なるイメージですが、スピナー界隈ではおそらく共通の認識です(よね?)。これはどこから来るものなのでしょう。
結論から述べると、技が「どのくらい不安定か」が判別の鍵だと思われます。その中でも「どのくらい指の制御を離れるか」が大きく関わってくるようです。
突然ですが、ペンが同時に二本の指に挟まれている状態のことを「二指状態」と呼ぶことにしましょう。
同様に、ペンが同時に一本の指としか接していない状態のことを「一指状態」、ペンが指と触れていない状態を「零指状態」と呼ぶことにします。
例えば…
・パスやソニックはほぼ「二指状態」を保ったまま回転します。
・バックアラウンドは最初と最後は「二指状態」ですが、それ以外は「一指状態」です。一回転するということもあり、ほとんど不安定な状態であることがわかります。
・ハイツアやスプレッドなどはさらに不安定で、「一指状態」が途中で挟まる以外は全て「零指状態」です。ペンが指に挟まる瞬間がありません。
そのため、先ほどの例だと
「小技側・・・パス > シャフィーボ > ハイツア・・・大技側」
という風に見ることができます。
3. 絶対的な考え方
ではもう少し考えてみましょう。
まずとある計算式に代入して数値「簡易安定値」を出します。計算方法に興味のある方は、最後の章を参照してください。
簡易安定の早見
パス:2.00 / パワパ:1.36 / ガンマン:1.67
ソニック:2.00
バックアラウンド:1.67 / シャフィーボ:1.67 / トルネード:1.50
122sp:1.21 / 1222sp:1.06
ハイツア:1.25
ノーマル:2.00 / スクエア:1.20 / キューブ:1.17
シングルアクセル:1.38 / ダブル:1.20 / トリプル:1.00
コントパームスピン:1.25
という風になります。(少し数値がブレているようなところもありますが、計算式がかなり簡略化したものなので仕方ありません。)
イメージとして
青色…小技 / 赤色…大技
という感じだと思います。なので安定値1.30を境界とし、1.30以上を小技、1.30未満を大技とすると、だいたいうまくいきそうです。
この方法を使えば、絶対的に小技と大技を定義することができます。…が、そもそも慣用的に用いられている単語なので、はっきり判別すること自体必要ないかもしれませんけども。
4. 数式
一応、数式を説明します。
まず、先に新出単語の説明から。私は勝手に単語を作ることで悪名高い。
接数…ペンが触れている指の数。
例えば、二指状態のとき接数は2です。
また特殊な場合が存在し、
・横式トルネードやZCCなどでみられる、指を添えるだけの状態は接数1.5
・マルチプルやコンパムなどでみられる、一指状態だが回転方向に力が加わっていないような状態は接数0.5(一指状態が連続で続けばこれを疑ってください)
とします。接数になりうるのは、0, 0.5, 1, 1.5, 2の5つの数のみです。
接数表記…技の連続的な接数の推移を表す表記。
0.5回転ごとの接数の推移をハイフンでつないで表記します。
例えば
パス:2-2 / ソニック:2-2-2 / バクアラ:2-1-2
トルネード:2-1-1.5-1-2 / シングルアクセル:2-1-0.5-2
という感じです。意味不明かもしれませんが、正直私も詳しく説明しようがありません。ガバ理論日本代表。
単語レッスン終了。
さて数式です。安心してください。ここまで来れば簡単ですよ。
簡易安定値 = 接数の合計値 / ( 回転数 × 2 + 1 )
ね、単純。もっと要素を絡ませて厳密にしても良かったんですが、判別にはそこまで必要ないかと思ってやめました。なので"簡易"安定値なのです。
例えばシングルアクセル (接数表記:2-1-0.5-2) だと
接数の合計値 = 5.5、回転数 = 1.5、なので
簡易安定値 = 5.5 / ( 1.5 × 2 + 1 ) = 1.38 (小数第2位まで)
となります。
5. あとがき
いかがだったでしょうか。小技、大技などをスタイルに絡めた話は、もう少し複雑になりそうなので、またいつか書くことにします。
ここまでお読みいただきありがとうございました。みなさんの感想お待ちしております。